「ダイブツダーが解散、ですか?」
突如もたらされた情報に、微笑むことさえ忘れて観月はきょとんと問い返す。
「へぇ。それは面白いことになったね。(にこ)」
一瞬の間の後、不二が微笑んで。
「くすくす。そうだね。」
木更津がはちまきを結び直しながら、おっとりと頷いた。
ルドルフの部室で、闇から闇へと悪を葬る計画を練っていたゴクラクダーたちは、急遽、議題を変更する。
「ほくろ戦士たちの中で、ほほえみ戦隊に入れる人をスカウトしようよ!(にたにた)」
嬉々として訴える千石に、芥川ががばっと覚醒した。
「スカウト?!マジで?!それ超すげぇE!千石くん、頭E!」
芥川の絶賛に頭を掻いて照れる千石。
「あのね!あのね!俺、スカウトしたい人がいんの!」
「誰かな?(にこ)」
久し振りに覚醒した芥川のはしゃぎように少し気圧されながらも、不二がまっすぐに問いかけた。芥川がますます目を輝かせる。
「あのね!跡部の高笑いもかっこEけど、微笑みと言ったら樺地!樺地の天使の微笑!!超すげぇ癒される!」
「樺地、くんですか?」
観月は小首をかしげ、それから逆の方向に首をかしげなおし。
そして。
「彼は微笑むんですか……?んふ。」
すごく初歩的なコトを質問した。
「樺地の笑顔、見たことない?!超可哀想!!」
そう叫ぶなり芥川はぴょこんと飛び上がり。
「見て!見て!これが樺地スマイル!!」
と、携帯の待ち受け画面を観月に突きつける。
観月が覗き込み。
不二と木更津と千石も横から覗き込み。
そこに映し出された巨漢の顔を凝視してみるものの。
「ね!ね!すっごい癒されるでしょ!!」
目をきらきらとさせている芥川と、携帯の画面との間で視線をさまよわせる。
「ほら、こっちは真顔の写真!こっちは樺地スマイル!全然違うっしょ!」
特別に設定してある「樺地フォルダ」の樺地写真を次々と披露してゆく芥川に。
観月は小さく首をかしげて。
「んふ。確かに癒される気はしますが……。」
言いにくそうに呟くと。
「やっぱ癒されるっしょ!」
嬉しそうに叫んで、芥川は携帯画面をにこにこと眺め。
「ほほえみ戦隊で樺地が一緒だと絶対超うれCと思う!!」
にこにこと眺め。
「……癒さ、れ……る……。」
癒されすぎて、眠ってしまい。
「……恐るべし。樺地くん……!(にやにや)」
「すごいね。くすくす。」
「さすがはタカさんと引き分けた男……!(開眼)」
ほほえみ戦隊を激しく動揺させながら。
芥川は天使の笑みを浮かべて、すやすやと幸せそうに眠りについたのであった。