「ダメ。自分の飯を食え。」
 南は弁当箱の蓋を閉めながらそう応じる。
 しゃべっているうちに南はもう自分の弁当をしっかり食べ終わっていた。
「……意地悪。」
 あからさまにしょんぼりする千石。
「しょうがねぇだろ。俺だって腹へってんだ。」
 さすがに少し可哀想に思ったのか、南がフォローするように呟いて。
「……良いよ。俺の弁当も今日お好み焼きだったから。」
 小さい声で応じる千石に、南はフォローしてやったコトを軽く後悔した。

 昼下がりの風が、カーテンを揺らして吹き抜けていった。

めでたしめでたし。

「って、おい!これで終わりかよ!」










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