「南くんってば、詐欺師!」
 怒っているふりをしているつもりだろうが、全然怒っていないコトが丸わかりな表情で、千石は南に詰め寄った。
「柳生くんでもないのに、詐欺するなんて!」
「……や。詐欺師は仁王だろ?」
「……あれ?」
 千石が首をかしげる。実はいまいち自信がなかった南も首をかしげる。
 どっちが詐欺師なんだっけ?
 昼下がりの風が、カーテンを揺らして吹き抜けていった。

めでたしめでたし。

「って、おい!これで終わりかよ!」










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