「楽しそうだな。」
「うん?」
 指折り数えていた千石が、南の声に顔を上げる。
「そうだね。楽しいね。」
 それはきっと世界を支配するとか何とか、そんな話とは関係なくて。
 ただ、今の生活が楽しいのだから。
 そうと分かっているから。
 南が笑うので。
 千石もいたく上機嫌に、えへへと笑った。
 昼下がりの風が、カーテンを揺らして吹き抜けてゆく。

めでたしめでたし。

「って、おい!これで終わりかよ!」










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