「や……あれは芽だし。」
 大まじめな南のフォローに、千石は思い出していた。
 山吹テニス部のダブルス軍団の絆の固さを。
「新渡米が鬼だっていうなら、ま、俺は鬼の味方だな。」
 淡々とそう告げる南に、千石はにぱっと笑った。
「それもそうか!」
 テニス部で味方も敵もあるわけがない。みんな、仲間だもんね!
「じゃあ、俺も鬼の仲間になろうっと!」
 昼下がりの風が、カーテンを揺らして吹き抜けていった。

めでたしめでたし。

「って、おい!これで終わりかよ!」










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