これは、「ほくろ戦隊ダイブツダー!」シリーズの続編に当たるSSです。
キャラクターの関係が複雑ですので、できれば順にお読みくださいませ。
むしろ、これだけ読むと意味が分からない自信があります。はい。
全部読んだけど、よく分からんという方は(ごもっとも!)、
資料室(同窓別窓)をご参照ください。

ほくろ戦隊ダイブツダー!
〜赤く染まる戦場!

<冒頭文企画連動SS>



「橘さん…アンタが、東京の人じゃなかったら良かったんッスけどね」
 切原はそう言うと、チャプリッ…と銃口を橘の額に向けた。
「切原…」
 肩から黄色の液体を垂らし、哀しそうな瞳でこちらを見る。
「……バイバイ」
 視界が、赤く染まった。

「くっ……!」
「痛いッスか?悲鳴上げても良いんすよ?泣き叫んで助けを呼んでも。……あはは!良いざまッスね。そっちの目、まだ見えてるんすか?そんな目で睨んだって怖くもなんともねぇッスから。」
「赤也!いい加減にしろ!」
「止めないでください。ジャッカル先輩。」
 止めようとするジャッカルの腕を邪険に振り払って、切原はにやりと笑い、唇をゆっくりと舐めた。
「さぁ、始めるッスよ。動けないのが悔しいッスか?悔しいッスよね。くくく。今、楽にしてあげますから……。まずは無事な方の目からいきましょうか。」
 そう呟いて、切原はナイフを取り上げる。そしてナイフの刃を見せつけるように舐め上げて。
「……赤也。行儀が悪い。」
 真田が低くたしなめる。
「うぃっす。すいません。」
 素直に謝る切原。
「それからお前は飯を食うのが遅すぎる。丸井を見習え。」
「ほえ?俺?」
 猛烈な勢いで自分のオムライスを食べ終え、真田の皿にスプーンを突っ込んでいた丸井が、話の展開について行かれないまま、顔を上げる。
「ブン太……口の周り、拭けよ。お前は。」
「あんだと!ジャッカルのくせに生意気な!どうせまたいろいろ付くんだから、良いんだよ!」
 極めて男らしく言い切ると、真田の食べかけのチャーハンを一口ぱくりと失敬した。

「赤也。とにかく食い物に名前付けて、なぶりながら食うの止めろよ。見ていて怖いから。」
 ため息混じりにジャッカルが提案すると、目玉焼きの黄身にナイフを突っ込んでぐりぐりしていた切原がきょとんとした顔で。
「なんでッスか?楽しいのに!ねぇ、柳先輩?」
 無邪気に主張する。
「柳も柳だ。赤也の食っているモノのせりふを当てるな。」
「ふむ。ジャッカルがやりたかったか?」
「やりたくねぇ!」
 丸井は柳の皿にスプーンを突っ込もうとして、その手を払いのけられた。

 時は土曜の昼さがり。
 午前中の部活を終えて、食堂で悪の昼飯に勤しんでいた立海の悪人たちは、丸井のスプーン攻撃から自分の食料を守ったり、守れなかったりしつつ、腹を満たしたり満たしきれなかったりする。
 ちなみに、丸井はこれが「悪いこと」だとは思っていないため、一日何度やっても、一日一悪という立海の悪の掟に違反することはない。

「それにしても……今回のワルサー……半端じゃなくすごいッスね。」
 ケチャップを大量にかけた目玉焼きをかきまぜるのに飽きたらしく、ようやく食べ始めた切原が、口をもごもごさせながら言う。
「そうか?」
 褒められて悪い気はしないらしく、柳は細い目を細めて自信作ワルサー8号を手に取った。
「確かにそれすげぇぞ!柳!全然、ケチャップこぼれねぇし!使いやすい!!」
 そう。ワルサー8号は銃の形をしたケチャップ容器で。
「お前たちはすぐこぼして、周り中をケチャップだらけにしてしまうからな。」
 柔らかく微笑みながら、柳は野菜サラダに少しケチャップを垂らした。


 ところ変わって、こちらはダイブツダー本部こと、不動峰中テニス部の部室。
 今日も正義のため、東京の平和のために、ほくろ戦士たちが集まってくる。
「そうそう。南。これ、約束の。」
 大石が鞄から三角巾を取りだした。
「ありがとう。二学期まで借りてていいのか?」
「いいよ。俺たちは三学期まで調理実習ないから。」
 そんな平和な午後。

 そのすぐわきでは菊丸が東方に三角巾を手渡していた。
「俺の、姉ちゃんのお下がりだから、クマの模様ついててごめん。」
「これがクマのダイゴロウ……?」
「違う!ダイゴロウは三角巾じゃない!」
 東方は可愛いクマ模様であるコトには異存がないらしい。
 素直に礼を述べると、三角巾を丁寧にたたんだ。

「そだそだ。ポテチ買って来たから食おうぜ!」
 菊丸が鞄から菓子の袋を取り出して。
 机の上に無造作に広げる。
「いただきます。」
 腹が減っては戦ができぬ。
 後方支援に力を尽くす非戦闘員たちは、こうやってほくろ戦士たちを陰に陽に支えている。
 世界の平和を守るために、ほくろ戦士たちは優雅におやつを口にした。
「何だ。これは?」
「跡部……まさか、お前、ポテトチップス食べたコトないのか?」
 愕然とする東方。
「……ぽてとちっぷす?」
 思いっきり疑問形で、それでも一応、手を伸ばす跡部。
「馬鈴薯の揚げ菓子だ。」
「ふーん。ばれいしょなわけね。」
 桔平の解説を聞いて理解したのかしなかったのか、一口ぱくりと食べてみて。
「……ふーん。あげがしなわけね。」
 桔平の解説に納得したのかしなかったのか、何度か頷いた。
「うす。」
 とりあえず相づちをうつ樺地。
 だが、跡部はもう手を伸ばそうとはしなかった。
 今日もダイブツダー本部は平和な空気に満ちている。

 石田は東方の手元にあるクマ模様の三角巾に興味を示し。
 軽く巻いてみたりして。
「三角巾、巻いてみるのは良い。石田。でもな。なんでタオルの上に三角巾なんだよ。」
 脱力した桜井に突っ込まれ、一同の注目を浴びてわたわたと慌てた。
「な、なんか変か?変か?」
 今日もダイブツダー本部は平和な空気に満ちている。


「丸井先輩。」
「んー?」
「俺、思ったんすけど。」
 昼食を終えて。
 悪の立海はまったりタイムに突入していた。
 今日の部活は午前中だけ。
 そうなれば、午後は当然、悪事に費やすこととなる。
 食堂の前のベンチに腰を下ろし、手の中のワルサー8号を軽く玩びながら、切原は悪人の笑顔を浮かべる。
「ケチャップって、洗濯してもなかなか落ちないッスよね。これをダイブツダーの連中にかけてやったら……あいつらのレギュラージャージにケチャップの染みが付くッスよね。」
「……赤也、お前……とんでもねぇ悪だな!ってか、ちょっと天才的?」
「うぃっす。かなり天才的ッスよ。俺だって!」
 にやりと笑う切原に丸井もにやりと笑い返し。
 二人は満足げに頷きあった。
「ケチャップかけたダイブツダーって、美味いかな!」
「ケチャップかけたら何だって美味いッスよ。」
「だよな!」
「中でも目玉焼きはケチャップに限るッス!」
「だよな!目玉焼きは断然ケチャップだよな!ジャッカルなんかは醤油が良いっていうけど、そんなんブラジル人しか食わねぇよな!!」
「柳生先輩は塩こしょうが一番って言ったッスけど、そんなん眼鏡戦隊しか食わないッスよね!!」
 二人は話が途中でずれたコトに気づかなかった。
 夏の空はどこまでも高く青く澄み切って。
 ベンチに影を落とす柏の木が、ゆっくりとその大きな葉を揺らす。

「そんなわけで、ちょっと行って来るッスよ!ダイブツダーにケチャップの染みを付けに!」
「俺も!俺も!ケチャップかけたダイブツダー、食いに行く!」

 そして。
 切原と丸井は出撃した。
 東京へ向けて。
 電車に乗って。


 笑いながら、しゃべりながら。
 ポテトチップスだけが消費されてゆく平和な午後。
 ふと気づいてしまった大石は、一瞬ためらってから。
「跡部……?」
 おそるおそる声を掛ける。
「……なんだ?」
 全く動じる様子もなく振り返る跡部。
 跡部の目の前には、大石の白い三角巾を巻かれて固まった樺地がいた。
「なんで樺地に三角巾を……?」
 常識的な路線で南がかろうじてツッコミを入れると。
「ふん。樺地は何だって似合う。それだけのコトだ。」
 跡部はいたく自慢げにそう応じた。
 全くかみ合っていない!話が全くかみ合ってないですよ!!
 目に涙を浮かべつつ、桜井は南と東方にすがるような視線を送ったが。
「確かに似合うな。樺地。」
「清潔感あふれる好青年って感じだな。」
 南と東方は地味に跡部のペースに巻き込まれていて、無駄だった。
 石田と樺地は静かに見つめ合って、三角巾も悪くないかなと心の中で確認しあい。
 杏は、跡部さんってばそんなトコで石田さんに張り合っちゃって!とおかしく思い。
 桔平は、三角巾の似合うヤツは料理上手に違いないと確信し、樺地や石田を魂の師匠としてこっそり尊敬するコトに決めた。

 そのとき。
「お兄ちゃん!!大変!!」
 レーダー監視係の杏がはっとした様子で叫ぶ。
「どうした。杏。」
 どんなときにも桔平は冷静さを失わない。落ち着いた様子で顔を上げた桔平に、深呼吸をして、菊丸が応じた。
「神奈川からワルサーが接近してる。人数はたぶん二人。もうすぐ多摩川を越える。」
 大石が、南が、石田が、樺地が、桔平にまっすぐな視線を向ける。
「どうする?橘。」

 ゆっくりと立ち上がって、桔平は合掌した。
「決まっている。俺たちは東京の平和を守るために戦う。それだけのコトだ。」
 小さく微笑んで、ほくろ戦士たちも合掌する。
 そうだ。そのために自分たちはここにいるんだ。
 橘とともに戦うため。大切な仲間たちの住む東京を守るため。

 桜井がぐっとBGMのスイッチを押せば。
 ダイブツダー変身のテーマ曲が流れて。
 厳かにユニフォームに変身した五人のほくろ戦士たちは、東京の平和のため、世界の愛のために、戦場へと赴くのであった。


「正義の味方を食うって、やっぱ悪いよな!」
「そうッスね!すげぇ悪いッスよ!悪ッスよ!主人公を食うのは、悪役の醍醐味ッスよ!!」
 大いに盛り上がりながら、悪の立海の二人が電車を降りると。
 そこは既に東京のテリトリーであった。
「さて。ダイブツダー、つぶすよ?」
「ダイブツダー、食うよ?シクヨロ!」
 精一杯の悪人スマイルを浮かべ、二人はゆっくりと改札を出た。
 案の定。
 そこには迎え撃つほくろ戦士たちの姿があって。

「……来たか。今世紀最悪の悪の化身切原赤也。」
 橘の呼びかけに、切原は手の中のワルサー8号を見せつけるようにくるりと回した。
 ケチャップ容器ではあるが、ワルサー8号は外見上は銃のように見える。
 切原は自分が立派な悪人になれたような気がして、嬉しくてしかたがなかった。
「そして……悪の胃袋魔神丸井ブン太……!」
 切原に並ぶ見慣れた面影に、南が低く唸る。
 ぷぅっとワルサー5号をふくらませて、丸井はにやりと笑った。
「緑とオレンジのユニフォームって、にんじんみたいで美味そうだな。」
「な、何?!」
 誇り高き山吹のユニフォームをおいしそうだなどと言われて、動揺する南。
 そして。
「ってか、これ、化繊だぞ?!」
 ツッコミどころを微妙に間違えた。

 切原はほくろ戦士たちを見回した。
 樺地を見た瞬間から、心の底から「なんで三角巾してんだよ!」と樺地にツッコミを入れたかったが。
 石田が視界に入った瞬間から、もう樺地などどうでも良くなった。
 なんで……なんでタオルの上からクマ模様の三角巾なんだ!
 ってか、なんでダイブツダーたちはそれにツッコミを入れないんだ!
 そして切原は結論に至る。
 こんな連中はとっとと潰さないとね。
 にやりと笑う切原の隣で、丸井は。
「三角巾……調理実習……おいしいモノ……ショートケーキ……イチゴ……ヒカルくん……。」
 一人連想ゲームに熱中していた。

 ダイブツダーと悪の戦士たちは、駅前広場で対峙する。
 夏の陽射しが石畳に反射して光る。
「橘さん…アンタが東京の人じゃなかったら良かったんッスけどね。」
 そう呟いて切原は、ワルサー8号の銃口を桔平の額に向けた。
「今日の俺は本気ッスよ。」
 チャプリとワルサー8号が不吉な音を立てる。
「切原……!」
 身構えて低く吠える桔平。
「そうそう。無抵抗じゃつまらないッスからね。せいぜいあがいてくださいよ。」
 切原の突きつけたワルサー8号の銃口から、桔平の額までの距離は一メートルもなく。
 にやりと笑って、切原は引き金に指をかける。
「……バイバイ。」
 そのとき。
「止めろ!」
 大石が切原と桔平の間に飛び込んだ。
 両手を広げて、桔平をかばい。
 同時に、かちり、と、引き金が引かれる。

 そして。
 石畳が赤く染まって。

『大石っ!』
 本部から響く菊丸の悲痛な呼びかけに。
 一瞬の間のあと。
「……心配するな。英二。」
 穏やかな大石の声が答えた。

「あいにくと……サインプレイは得意なもんでね。」
 ワルサー8号をつかむ切原の右腕を、南が押さえ込んでいる。
 切原が大石に目を奪われた一瞬の隙をついたのである。
 ケチャップは大石を襲うことなく、逸れて大地を赤く染めたに過ぎず。
 大石のレギュラージャージは汚されることもなく。
「残念だが、切原、これはダイブツだ。」
「くっ。地味なくせに……!」
 大石の謎の宣言に、唇をかむ切原。
 南は、ふと。
 大石ってときどきダイブツとダブルスの区別がついてないときあるよな〜。
 と分析して。
 まぁ、別に構わないか。
 と気にしないコトに決めた。

 たくましい腕が伸びて。
「遊びは終わりだ。」
 切原の手から桔平がワルサー8号を取り上げる。

 そのころ。
 丸井は、石田の三角巾を見上げ。
「クマさん、美味そう……。」
 と別の世界へと旅立ちかけて。
「おなか減ってるんだったら……ポテトチップス食べます?」
 石田が本部から持ってきたポテトチップスを取り出して。
 樺地がどこからともなくお茶を出して勧めてくれるので。
「お菓子くれたりお茶くれたりするヤツはみんな俺の仲間だ!」
 あっさりダイブツダー三角巾ペアと仲良くなりつつあった。

 そこへ複数の足音が響く。
「赤也!!ブン太!!」
 ジャッカルの声。
 南に腕を押さえ込まれている切原が身をよじって振り向いた。
「ジャッカル先輩!!」
 突然、頭上で激しい蝉の声が聞こえだした。

 桔平がゆっくりと悪の立海の面々を見回す。
 真っ直ぐに桔平の視線を受け止め、睨み返してくる真田、柳、そしてジャッカル。
「南。離してやれ。」
「……良いのか?」
 南の問いかけに深く頷く桔平。
 切原を裁く必要はない。
 ただ、その悪事を止めれば良い。それだけで良い。

 南の腕をふりほどき、切原は先輩たちの元へ駆け戻る。
「赤也。貴様というヤツは……!」
 帽子の下、真田の目は厳しい光を宿していて。
「ふ、副部長、俺……。」
「食べ物で遊ぶなと、どれだけ言ったら分かるんだっ!!」
 怒鳴りつけられて、切原は小さくうなだれた。
「……ごめんなさいッス。」
 ジャッカルは、今日の昼飯のときにもそうやって叱っておいてくれたら良かったのになぁ、と今更ながら考えたのだが、過去を振り返っても仕方がないので、その辺のコトは素直に諦めるコトにした。

「後輩が世話を掛けた。」
 柳が一歩前に出る。
「すまないが、橘、ワルサー8号を返してもらえないか。」
 桔平は自分の手の中にある銃の形をしたケチャップ容器に目をやった。
 「悪さ日本一☆神奈川県」「悪の秘密結社☆立海大附属」と見慣れた文字が並ぶそれは。
 ほんのりと良質のトマトケチャップの香りがしていて。
「おらよ。」
 一瞬瞑目し、桔平は意を決した様子で軽く投げ返す。
 武器を奪ったところで、彼らの悪の意志をくじくことはできない。
 彼らの心が変わるまでは、たとえ武器を奪ったところで意味はない。

「感謝する。お詫びと言ってはなんだが……詰め替え用のケチャップを持ってきた。」
 そう言って柳は背負っていたラケットバッグから小さな瓶入りのトマトケチャップを取り出し。
「すまん。今、ダイブツダー仕様に直す。」
 慌てた様子で、瓶に書かれていた「悪さ日本一☆悪のトマトケチャップ!」の「悪さ」と「悪の」の文字を修正液でムリヤリに消し、油性ペンで何かを書き足す。
 そして。
「受け取れ!」
 桔平の手元に届いたそのケチャップは「ほくろ日本一☆愛のトマトケチャップ!」と素晴らしい名前になっていて、桔平は素直にときめくことにした。

 鳴きだしたときと同じくらい唐突に、蝉の声が止む。
 夕方が迫っていた。
「帰るぞ。」
 真田が低く呟いて踵を返す。
「うぃっす!」
 慌てて後に従う切原。柳とジャッカルも続いた。
 しかし。
「おい!ブン太!!」
 数歩行ってから、ジャッカルは引き返し。
「あんだ?」
 三角巾ペアとともに楽しいおやつタイムを満喫していた丸井の首根っこを掴み。
「帰るぞ!!」
「まだ食べてるんだってば!!」
 ムリヤリ引きずって帰途に就いた。


「……橘。」
 ケチャップの瓶を見据える桔平。
 四人のほくろ戦士たちが静かに集う。
「どうした?」
「いや……ポテトチップスにトマトケチャップというのも合うかもしれないと思ってな。それなら跡部にも食えるかもしれない。」
 真剣な桔平の声に。
 一瞬、答えに詰まった仲間たちであったが。
「うす。」
 樺地が深く頷いたので。
「じゃあ、帰って試してみるか!」
 ゆっくりと本部への道を歩き始めた。

 夕方。影が長く伸びる本部への道。
「大石。」
「うん?」
「……あまり無茶はするなよ。」
 振り返らずに呟く桔平に、大石は少し驚いて。
「俺たちは東京の平和を守るために戦う。それだけのコトだ。そうだろう?」
 桔平の言葉を真似て、小さく笑った。
 お前だけが戦っているわけじゃない。
 たまには俺たちにも危険を分かち合えよ。
 そう言ってやるべきかどうか、少しだけ迷って。
 大石は何も言わず微笑んでいることにした。


<次回予告>
「で、菊丸。結局この『ばれいしょのあげがし』って何なんだ。」
「だから、ポテチ。」
「ぽてち?」
「ポテチって言ったら、ポテチなんだってば!」
「……。」
「全くもう!ポテチ、キムチ、樺地!」
「ぽてち、きむち、かばじ……?ふーん。樺地なわけね。」
「いや、樺地は関係ないけど。」
「なんだ。関係ねぇのか。」
「ところで最近、眼鏡のヤツ、増えてねぇ?」
「あーん?眼鏡だと?」

次回!増えるメガネちゃん?!
お楽しみに!!







☆☆15万ヒット記念☆ぷち企画☆☆
   <今回のいただき冒頭文>
「橘さん…アンタが、東京の人じゃなかったら良かったんッスけどね」
 切原はそう言うと、チャプリッ…と銃口を橘の額に向けた。
「切原…」
 肩から黄色の液体を垂らし、哀しそうな瞳でこちらを見る。
「……バイバイ」
 視界が、赤く染まった。

どうもありがとうございました!




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