いつでも一緒。




「すみません。柳生さん。砂糖、取ってもらえます?」
 ティータイム。
 それは優雅な一時。
 湯気上がるコーヒーカップを片手に、室町が向かいに座る柳生たちに声をかける。

 きらり。
 柳生たちは眼鏡を光らせて。

「「失敬ですよ!室町くん!」」
 小さく低く憤慨した。

「ああ。……すみません。」
 一瞬、間をおいて。
 室町は、軽く頭を下げ、自ら身を乗り出してシュガーポットを手にした。
 そうそう。柳生さんには、二人一緒にできるコト以外、頼んじゃいけないんだった。

 別に忘れていたわけでもないのだが。
 毎回、同じように憤慨する柳生が面白くて。
 室町は、読めない表情のまま、コーヒーに角砂糖をざらざらと流し込んだ。
 今日も二人の柳生は、同じ仕草で同じ台詞を吐きながら、「「ワタシは一人ですよ。」」と主張し続けている。







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