東京。
「ねぇ、ねぇ! 俺、すげぇコトに気付いた!」
唐突に覚醒した芥川が、寝顔を覗き込んで、額に落書きをしようとしていた千石と木更津の腕を掴む。
「ど、どうしたのさ?芥川くん。(にたにた)」
「びっくりしたよ。いきなり飛び起きるんだもん。くすくす。」
のどかなお昼時。昼寝には最適の時間。
そんなときに、芥川が覚醒するなんて。木更津と千石は少しだけびっくりした。
「あのさ!あのさ!」
ルドルフのテニス部部室は居心地が良い。芥川くんが寝ちゃうのももっともだ!
と、常々千石は思っている。
そんな話をすれば、木更津はいつもくすくす笑いながら、嬉しそうに柳沢を見やるのだ。
木更津と柳沢は仲良くて良いなぁ、とにたにたしながら、千石はいつもこの二人の関係を羨ましく思っていた。
「東京都って、世界の中心じゃない?!」
「そうだね。(にたにた)」
「だったらさ!なんで『東』とか付いてるのかな!中心だったら『東』はいらないっしょ!!」
「……なるほどね。くすくす。」
確かに東京は日本の中では東側にあるのだが。
関西から見れば、東なのはもっともなのだが。
世界の中心であるべき都市が、自ら「東」などと名乗るのはオカシイかもしれない。
芥川の言い分を聞いて、千石は深く頷いて。
「じゃあ。『東京都』は今日から、『東』を外そう!決定!俺が決めた!(にたにた)」
堂々と宣言した。
「くすくす。じゃあ……今日から『東京都』は『京都』なんだね。」
木更津は言ってしまってから、自分の発言がなにやら可笑しいことに気付き。
芥川と千石も、木更津の言葉に首をかしげて。
「……京都は……なんか、おかC……。」
芥川の声に、木更津と千石は、やっぱり世界の中心でも東京都は東京都のままでいいや、と、納得することに決めた。
彼らが決意を固めるころには、芥川の安らかな寝息がルドルフ部室を包み込んでいた。
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