伝言ゲーム〜氷帝おまけ篇2〜



「樺地……それ……。」
 鳳は、目を疑って何度も瞬きをした。
 ラケットバッグから取り出したその物体は。
 育成系のゲーム機で。

「お前、それ、育ててるの?」
「……。」(ちょっと違うんだけどなぁ、という表情。)
「あ、もしかして、跡部さんが……?」
「……。」(こくりと頷く。)

 画面を覗き込むと、小さなウサギがピコピコ動いていて。
 満腹ゲージがほとんどゼロに近い状態だった。

 巨体をかがめて、一生懸命ウサギに餌をやる樺地の姿に。
 鳳はなぜか、激しく感動を覚えてた。

 ……しかし、なんでそれを樺地が代行しているんだ??

 監督の下から戻ってきた跡部に、宍戸がおそるおそる声を掛ける。
「結局、さっきの伝言、どういう意味だったんだよ?」
「あ〜ん?宍戸、てめぇ、ホント頭悪いな。」
「……。」
「良いか?あれはな!育成ゲームだ、もうウサギが腹減らす時間だから、早いトコ餌やらないとやばいぞ、っていうコトだ!」
「……。」
「全く。他にありえねぇだろ?」

 ありえないのはむしろ、樺地の理解力だ、と宍戸は思った。
 ……それにしても、なんでゲームの育成を樺地が代行しているんだ??

 っていうか。
 自分で育てる気がないなら、なんで育成ゲームなんかやってるんだ?跡部……。
 宍戸はラケットのガットをじっと凝視しながら、しばらく考えていたが。
 ふるふる!と、首を振って邪念を払うと、また気合いを入れてコートに目をやった。
「よっし!行くぜ!」
 コートでは宍戸の練習相手が待ちかまえている。



オチがこんなんでごめんなさい!
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