伝言ゲーム〜氷帝おまけ篇1〜


「ん?なんだ?携帯……?」
 樺地がラケットバッグから取り出した携帯は、跡部のモノで。
 慣れた手つきで、操作する樺地。

「……跡部さんの携帯……??」
 鳳は首を傾げながら、息を呑んで樺地の口元を見守った。

「……。」
 コール音を聞いているらしい樺地。
 ふと、表情が強ばる。
 相手が出たらしい。

「……うす。……うす。……うす。」

 ピ。

「……えええ?今ので用事、終わったの?」
「……。」(こくりと頷く。)

 樺地は静かに跡部の携帯を、自分のラケットバッグにしまった。
 鳳は常識人で、しかも少し気が小さいので。
 人の電話の用件なんか聞いちゃイケナイかな、と思って。
 むらむらとわき起こる好奇心を押し殺し、にっこりと微笑んだ。

「部活、早く行かないと!急ぐぞ!樺地!」

 ……しかし、なんで電話を樺地が代行しているんだ??

 監督の下から戻ってきた跡部に、宍戸がおそるおそる声を掛ける。
「結局、さっきの伝言、どういう意味だったんだよ?」
「あ〜ん?宍戸、てめぇ、ホント頭悪いな。」
「……。」
「良いか?あれはな!電話だ、もう時間だから、早いトコかけないととやばいぞ、っていうコトだ!」
「……何の電話だよ。」
「は?あほか?お前。ありえねぇ頭の悪さだな。」

 ありえないのはむしろ、樺地の理解力だ、と宍戸は思った。
 ……それにしても、なんで電話を樺地が代行しているんだ??
 ってか、何の電話だったんだ……??

 しかし。
 宍戸にはこれ以上、何かを聞くだけの気力が残っていなかった。
 小さく息を付くと、ラケットを担ぎ直す。
「さって。練習、練習っと。」


は……!!これでは結局、何も解決してない?!
ごめんなさい!!
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