ダブルス友の会。
<冒頭文企画連動SS>



 ダブルスプレーヤーにとって、戦うべき真の敵はネットの向こうの相手ではなく、自分の組む相方である。

♪♪♪

丸井「今週も始まったぜ!ダブルス友の会!土曜の夜はラジオの前に集合だろぃ!」
桑原「今月のパーソナリティは立海大附属中テニス部のジャッカル桑原と。」
丸井「丸井ブン太でお送りするぞ!今夜もみんなをめくるめくダブルスの世界にご案内するぜ。……ジャッカルがな!」
桑原「俺一人でかよ!」

♪♪♪

丸井「今日の冒頭のお言葉は意味深だったな!」
桑原「おう。今日のお言葉はラジオネーム『ムーンボレー』さんから。試合中にいきなりパートナーが四人に増えていたときに閃いたフレーズらしい。」
丸井「あー。あるある!気が付くと相方って、増えてるもんだよな!」
桑原「増えねぇよ!でも何となくその気持ちは分かるけどな。」
丸井「なんだよ。やっぱジャッカル、増えたいのか?」
桑原「そうじゃなくて!相方が敵だっていう気持ちがさ。」
丸井「え?……俺、ジャッカルの敵なのか……?」
桑原「や、そ、そんなんじゃねぇけど!あの、えっと……!」
丸井「というわけで、次のコーナー行ってみよう!」
桑原「切り替え早いな!おい!」

♪♪♪

丸井「お便り紹介行くぜ!」
桑原「えっと、ラジオネーム『アサリのみそ汁パワー』さんからのお便りです。」
丸井「アサリのみそ汁……!」
桑原「おい、ブン太!よだれ!」
丸井「……じゅる。」
桑原「しょうがねぇヤツだな。さて、読むぜ?なになに……『パーソナリティの二人に質問。試合中、相方がダジャレ言って困ったコトってないか?』」
丸井「なんで困るの?ダジャレ言う相方、面白ぇじゃん!」
桑原「でも試合中の相方のボケって結構突っ込むタイミングが難しいからな。」
丸井「妙に実感こもってんな。ジャッカル。俺に何か文句あんのか?」
桑原「べ、別にそんなわけじゃねぇけど……。ってか、試合中にダジャレ言えるくらい余裕があるのは、良いコトなんじゃねぇの?」
丸井「そうだよな!俺なんか、試合後のおやつのコトで頭いっぱいで、ダジャレなんか考えてる余裕、全然ねぇもん。」
桑原「頼むから、試合中は試合に集中してくれ……!」
丸井「でも運動したら腹減るじゃん!」
桑原「だからってラケットとかボールとか食うなよ?」
丸井「…………や、んなもん、食わねぇって!」
桑原「何だ。今の微妙な間は!」

丸井「時間あるから、お便りもう一通行こうぜ。」
桑原「了解。こちらはラジオネーム『波動球の相方』さんから。」
丸井「ダブルス魂を感じるラジオネームだな!」
桑原「内容もすげぇダブルス魂弾けてるぜ。『パーソナリティのお二人、こんばんは!』……おう、こんばんは!」
丸井「ばんは!」
桑原「『俺のダブルスの相方は派手ですごい必殺技を持っていて、その技をマネしている選手が他校に二人もいるくらいなんですが、おかげで俺は影が薄くなってしまい、いつでも波動球の相方と呼ばれちゃって哀しいです。髪型も、俺、オールバックなんで派手な方だと思うんですが、相方がスキンヘッドなのでどうも敵いません。相方より目立ちたいとは言いませんが、せめて俺の名前を覚えてもらえるくらい、インパクトのある必殺技がほしいです。何か良い必殺技の名前を考えてください。ちなみに俺の必殺技は激烈なトップスピンです。』だそうな。」
丸井「へぇ。必殺技か。せっかくだから今までにないタイプの珍しい名前が良いかもな!」
桑原「確かにインパクトがほしいよな。」
丸井「しかも魅力的なヤツな。」
桑原「そうだな。何か良いのあるか?」
丸井「『ご飯大盛り』とかどうだ?」
桑原「お前に魅力的でどうする!しかもトップスピンどころかテニス関係ねぇだろ。それ。」
丸井「じゃあ、『キャベツおかわり自由』ならどうだ!」
桑原「トンカツ屋かよ!」
丸井「というわけで、必殺技の名前は『激烈なトップスピン』に決定しました!」
桑原「したのかよ!ってか、そのまんまじゃねぇかよ!」

♪♪♪

丸井「さてと、この辺で一曲行っとくか?」
桑原「そうだな。じゃあ、今日は、来週発売予定の、山吹の誇る最強ユニット新渡米&喜多待望の新曲を一足先にお届けだ!」
丸井「いつも思うんだけど、こいつらのすげぇ渦巻き感と芽生え感は、絶対にファンの期待を裏切らないんだよな!」
桑原「しかも今回は南と東方が地味にバックコーラスとして参加してるんだぜ。」
丸井「誰も気付かなほど地味な歌声にしびれろぃ!」

♪♪♪

<Endless Dream ―― 若葉うずまいて>
永遠はForever 思い出はMemory
君の残した何かが 今 静かによみがえる
今日から始まる終わらない夢 家電リサイクル
止まらないうずまき 回り続けるクエン酸回路
太陽と風が 俺たちに力をくれるなら Sun & Wind
双葉きらめくのだ Shining
うずまくのであります Rolling
光合成はファンタジー 未来へと続く風力発電のように Dream

 *俺たちの古新聞が 今 トイレットペーパーとなって……輝く
  さあ 地球を回せ エコロジー
  太陽と風 永久の夢 省エネの華 果てしなきリサイクル
  若葉うずまく ミステリアス白昼夢 君に届けよう Dream

(*繰り返し)

♪♪♪

丸井「こいつら、やっぱ天才的だな!」
桑原「さて、次は『相方への手紙』コーナーだ。」
丸井「普段は言えない本音を手紙で伝えてみろぃ!」
桑原「というわけで、今日は不動峰の内村&森ペアの手紙を紹介するぜ!」

♪♪♪

森より内村へ。
 内村はこわい人のふりをしているけど、本当はときどき少しだけ優しいときがあるような気がします。特に俺の夢に出てくる内村はそこはかとなく優しいです。それに、いっしょにいるのはとても楽しいです。でも俺の教科書にらくがきするのはやめてください。それから、明日の朝練は7時からなので遅刻しないでください。明日の英語はノート提出の日なので忘れないでください。地理の資料集も持ってきてください。

♪♪♪

内村より森へ。
 森はきっと広い。しかもがんじょう。100人のってもだいじょうぶ。たぶん、120人くらいのってもだいじょうぶ。でもまだ真骨頂じゃない。真骨頂を見たい。きっとおれよりうまい。とくに花札ととびばこ。アスパラガスがすきだ。

♪♪♪

桑原「二人だけの世界ってか、強い信頼関係が伝わってくる手紙だったな!」
丸井「さっぱり意味分からねぇけどな!」
桑原「……ま、そこが二人の絆の深さなんじゃねぇのかな。」
丸井「っていうか、アスパラガス食いてぇ。」
桑原「そこかよ!」

♪♪♪

丸井「あれ?時間経つの早いなぁ。もう終わりかよ。」
桑原「お。ホントだな。さて、今週も番組からのプレゼントがあるぜ。」
丸井「昨日発売の菊丸英二エッセイ集『無限の可能性』を3名様にプレゼントだ!」
桑原「4人の菊丸英二による座談会も収録されている充実の一冊なんだよな。ダブルス好きには必読だ。」
丸井「座談会のトコ、俺もさっきぱらぱら読んだけど、最後の一言『分身したって良いじゃない。人間だもの。』って言葉がなんか胸に染みた。菊丸の生き様を感じたぜ。」
桑原「人間として間違ってるけどな!」
丸井「で、俺たちのパーソナリティは今回でおしまい。一ヶ月早かったな。」
桑原「本当だな。」
丸井「でも番組はまだまだ続くぜ!」
桑原「来月のパーソナリティは、お待ちかね!氷帝中テニス部の向日と忍足だ!」
丸井「来週もみんなをめくるめくダブルスの世界にご案内するぜ!」
桑原「向日と忍足がな!」







☆☆15万ヒット記念☆ぷち企画☆☆
   <今回のいただき冒頭文>
 ダブルスプレーヤーにとって、戦うべき真の敵は
ネットの向こうの相手ではなく、自分の組む相方である。

どうもありがとうございました!




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